砂漠讃頌〈ナミビア 2019.12〉

ナミビアの鉄道

12月に走るのは師だけではない。仕事納めとやらを終え、飲みに繰り出す同僚と別れ、オタクは羽田空港へとひた走っていた。

年末年始のたっかいたっかい航空券を回避するにはひたすら刻むしかない。ソウル・香港・アディスアベバと乗り継ぎ、約30時間かけアフリカの大地へ降り立った。

アフリカ南部に位置するナミビアという国は、知名度こそ高くないが、旅好きには人気のある国らしい。
首都・ウイントフックの空港では日本人を数人見かけた。
ナミブ砂漠ツアー・サファリの動物たち・治安の良さ・英語圏…とコンテンツと旅行のし易さを兼ね備えた隠れた観光大国なのだ。

けれども鉄道を撮るためにナミビアを訪れる人は稀有だろう。
サファリツアーで象さんと戯れるのも心惹かれるが、オタクとしての使命があるのだ。

空港からレンタカーを借り、初めての海外での運転に戸惑いながらも、西へと向かった。
目指す街はここから500㎞先だ。

ナミビアの大西洋側に位置するウォルビスベイ(WalvisBay)は、200年ほど前に英国によって開かれたアフリカ屈指の良港で、ナミビアからの輸出入のおよそ半分はこのウォルビスベイ港を経由する。

物流を担う貨物列車も、その殆どがウォルビスベイを目指すように走っている。

といっても貨物列車来るのは1日に1本か2本なもので、大半の時間をいつやって来るかも分からない列車を待つのに費やす。

どこまでも続く砂漠に車で突っ込んでみたり、砂の上に寝っ転がってみたり、獣の骨を投げて遊んだり、やるべきことは無限にある。

至る所に見られる獣のあと

列車のスピードは存外速いが、人っ子一人居ない砂漠をかっ飛ばせば、追い抜くのは造作もない。

スワコップムント(Swakopmund)付近で列車を見かけたので、先回りして砂山に登ってみることに。

DUNE7はナミビアで最も高い砂丘(382m)なのだという。
車で目の前まで乗り付けてみると、その高さに目眩がしそうだった。

進撃の巨人の超大型巨人が、確か100mくらいだったはずなので、このウォールナミビアがかの世界にあったなら、ベルトルトは簡単に討ち取られていたかもしれない(ただしアンカーはこの壁にたぶん刺さらない)

昼間の日差しを十分に受けた砂山は、熱せられたフライパンのようだった。
パンはパンでも傾斜30°のフライパンを登り切ったと同時に、青い機関車が遠くに見えた。

「ベルトルト、これが君が見た景色なんだね」

DUNE7には僕のような海外からの旅行者だけでなく現地の人々もたくさん訪れていた。

「ここから見る夕日は最高だぞ?日没まで待っているといい」
彼らのアドバイスを受け、列車の撮影は中断することにした。

語彙力が終わってるので、夕日に映し出される曲線美を見て、「新幹線のノーズみたい」などと思ってしまった。

けれど新幹線と違い、ちょっと風が吹けばその形は毎日変わる。
今日だけの類稀なる美しさをオタクなりに堪能した。

砂山を転げるように下り、車を宿に走らせていると、白い二つの点がゆっくり向かってくるのが見えた。

この日がナミビア滞在最終日、最後の列車撮影だ。

奥に見える明かりがウォルビスベイの街

停まっては走り出し列車を追い抜きまた停まる車を見て、列車の運転手はさぞかし不気味だったに違いない。

ともあれ、最後の最後で夕闇猛進Vカットを収め、僕のナミビア砂漠ツアーは幕を閉じた。

Namibia our Country,Namibia Motherland,We love thee.(ナミビア国歌より)

(訪問日:2019.12.28~2020.1.2)

 

〈旅行情報〉
フライト
往路 (JAL) 羽田→金浦 → (エチオピア航空) 仁川→香港→アディスアベバ→ウイントフック
復路 (エチオピア航空) ウイントフック→アディスアベバ→北京→仁川 → (大韓航空) 金浦→関空

レンタカー    :ウイントフック空港内 Hertz rentalcars.comにて予約
ウォルビスベイの宿:10de Laan B&B 1泊4000円ほど。セキュリティがしっかりしている。

※国道はネズミ捕り多数有り。(レンタカー店で100キロ以上は出すなと注意)

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