貨車への道〈モロッコ・西サハラ 2019.2〉

 ー 西アフリカ旅行記 ー

  1. モロッコ~西サハラ本記事
  2. モーリタニア鉄道撮影
  3. モーリタニア貨物列車乗車
  4. モーリタニア・シンゲッティ訪問
  5. セネガル鉄道撮影

大学四年生の冬、なんとか卒業単位を取り終えたぼくはモロッコ南部・マラケシュへ降り立った。

マラケシュから南下し、西サハラ・モーリタニアを通り、アフリカの西端部をなぞるようにセネガルの首都・ダカールを目指す。
これが、ぼくが卒業ぼっち旅行に選んだルートだ。

まずはバスでモロッコ西部の港町、エッサウィラへ向かう。

世界遺産の港町・エッサウィラの歴史はとても古く、紀元前800年頃から港が開かれていたという。
マラケシュからは3時間程度で行けるが、モロッコの観光的な”突き当たり”であり、マラケシュにやってきた短期旅行者の多くは砂漠ツアーに出向いてしまう。その方が周遊性が高いからだ。

エッサウィラはいくらか観光地化はされているが、活気のある港と、城壁に囲まれた市街地をダブルで楽しむことができとても魅力的なところだ。
お魚と路地が大好きであろう島国オタクには間違いなく刺さる場所である。

水揚げされた魚介類は、その場で捌いて焼いてもらえる。
生牡蠣が1つ10ディルハム(≒100円)で売られており、牡蠣に目がないぼくは早くもVを決めてしまった。

旧市街にはニャーンが無限にコロコロしている


エッサウィラから夜行バスに乗り込み、西に向かう。
ここから西サハラの国境までは700㎞程度だが、高速道路がないためやたらと遅い。
夕方出発したのに翌朝になってもまだモロッコ国内を走っていた。

ヤギツリー
右手の窓に大西洋が広がるので、座席は右側の方がおすすめ。

朝飯を食って眠くなったころ、検問所に着いた。

モロッコ人たちがバスの中チェックを受ける中、ぼくだけ外の小屋に連れていかれた。
軍だか警察だかのオッサンの質問を適当にやり過ごし、パスポートのコピー(事前に用意しておく必要がある)を渡し、特に問題なくバスに戻された。
予習しておいたので知ってはいたものの、こういう”きな臭い”国境は緊張する。

西サハラというのは、地図で見ると白く塗られていたり、他の国々とは異なる字体で表記されていたりする。
地図によってはモロッコとの国境線が点線(=国境紛争地域を示す)で描かれていたりする。

西サハラがこのような表記をされているのは、西サハラが独立を達成していない「植民地」であるからである。
1960年のアフリカの年を皮切りに諸国が次々と独立していく中、この地はモロッコが侵攻・実効支配している。

どこまでも続く西サハラの幹線道路
西サハラサービスエリア

外務省の渡航情報を見ると、西サハラの大半が濃いオレンジ色で塗られ、この地域が今も紛争地帯なのがわかる。

ナイロビ・ダルエスサラームに代表される、世紀末みたいな治安を誇る東アフリカに地球の歩き方があるにも関わらず、西アフリカの地球の歩き方が作られない理由が、おそらくこの西サハラなのだと思う。西サハラが壁となり、旅行者の行き来を妨げているのである。


一方で上の写真の幹線道路周辺に限っては渡航警戒レベルは低く設定されている。
先の検問所然り、モロッコ軍が一帯を監視下に置いているからである。

西サハラサービスエリアでミントティーを淹れてくれたオッサン

漸く、西サハラの中心地・ダフラに着いた。
エッサウィラから約20時間もバスに揺られていた。はかた号よりつらい。

バスターミナルの客引きに連れられて、適当な安宿に入る。

薄暗くなってきていたにも関わらず、ダフラの街は子供や女性も多く、治安の悪さは感じない。

そして驚いたことに、ダフラに鉄道が走っていた
西サハラに鉄道が通っているなんて、初耳だ。
しかもどことなく小湊鐡道の里山トロッコに似ていて上総みを感じる。

国内の被写体が枯渇する中、西サハラ撮り鉄がスタンダードになる日も近い。

西サハラ鉄道 ダフラ環状線


西サハラの帰属問題は、ぼくがこんな鉄道ブログで書いていいようなことではないので、
詳しく知りたい方には、『抵抗と轍』という本をおすすめしたい。

ダフラで一泊ののち、さらに南進する。

相乗りタクシーでサハラ砂漠の末端部を走ること5時間、モーリタニアとの国境へ着いた。

西サハラ側のパスポートコントロールを抜け、国境緩衝地帯を抜ける。
ここの光景は一生忘れられない。

北斗の拳の世界を彷彿とさせる世紀末のような景色に唖然としてしまった。
見渡す限りずっと広がる廃車の群れは、地雷を踏んづけたのか砂で動けなくなったのか襲われたのか…

この世界で最も限界度の高い国境だと思う。

そしてその国境の上を行く限界レベルが、このモーリタニアビザである。
左を見てくれ!ぼくのイケメンご尊顔が台無しである。
たぶん砂でカメラが故障しているのだろう、PENTAXを買え

どうやらこの国は限界度は高いが解像度は低いようだ。

 

ともあれ、西サハラを無事抜け、貨車乗り大国・モーリタニアに入った。

 

モーリタニア鉄道撮影編につづく。

 

(訪問日:2019.2.22-24)

 

〈旅行情報〉
マラケシュの宿   :Riad House13 日本人宿。1500円くらい。
マラケシュ~ダフラ :CTMのバス利用。エッサウィラ→ダフラは満席。前もって予約がベター。
ダフラの宿     :バスターミナルの人に案内してもらった安宿。宿名忘れた。15€くらい。風呂トイレ・部屋に鍵あり。
ダフラのレストラン :Casa Louis 海鮮がおいしかった。
ダフラ~ヌアディブ :上記宿で乗り合いタクシーを手配。40€くらい。宿の前まで来てくれた。

※西サハラ内に入ると検問多数あり。パスポートのコピーを多めに用意。その都度コピーを渡せば問題なく検問を通過できる。

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